2014年11月16日

ちょっと違ったアプローチの、魔法少女の物語。

となりの魔法少女(1)/七葉なば
となりの魔法少女(2)/七葉なば

魔法が使える普通の少女と、2人の「友達」のお話。それが、この作品です。
魔法少女モノというと、たいていは「日常系」に分類されるユルユルふわふわな物語か、「まどか」や「なのは」みたいなシリアスなものに大別されますが、この作品は、それらとは少し違う視点で「魔法少女」という題材にアプローチをかけています。
それでいて、毎回暖かい気持ちになれて、そして少し切ない気持ちになれる4コマ漫画なのです。


「魔法で作ったものは本物にはなれない。」
主人公の少女、羽根井あきは、その昔「魔法の力で」友達を作っていました。でも、ある事をきっかけに魔法を解いてからは友達が1人もいなくなり、1人ぼっちに。
そんな彼女が高校2年の始業式に、魔法を使っている所を1人のクラスメイトに見られる所から物語は始まります。

普通の少女「相澤 圭」と、科学が大好きな理屈少女「宇佐神 茜」。この2人と仲良くなったあきは、色んな魔法に関するエピソードを交えながら、しだいに「友達」と呼べる関係になっていきます。

‥‥魔法って、普通に考えると便利で何でもできる、夢のようなモノなのですが、「何でもかんでも魔法で願いを叶えてしまって良いのか?」と聞かれると、素直に「イエス」とは答えられないと思います。
魔法でどこまで願いを叶えて、どこから魔法を使ってはいけないのか。そういうアプローチで物語が進んでいきます。

日常を描いているように見えても、扱っている題材はとてもシリアスで深く、読んでいて「あっ、これはいい。」と思わされました。
先述した通り、重いながらも毎回暖かく終わるので、読んでいて嫌味もありません。その辺は上手いなと感じました。

理屈少女がいるので、少し理屈っぽい展開はありますが、個人的にけっこうオススメです。
そして私がこの記事を書いているのは、(この漫画の紹介をしたいのもあるのですが)最終巻である第2巻の感想を書きたくて仕方がないからでもあるのです。

というわけで、未読の方向けの文章はここまでです。ここから先は、最終巻のネタバレを含みます。

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ここから先は最終巻のネタバレを含みます
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まず一番びっくりしたのが、あきが過去に飛んで「1人ぼっちの子がいたら話しかけてあげて」とお願いしたところです。
最初は「あぁ、この一言が、あきと圭が仲良くなるきっかけになるんだな。」程度にしか思っていなかったのですが、読み進んでいくうちに「この一言がなかったら、圭はあきだけじゃなくて茜とも仲良くなっていない。」という事に気付いて、ハッとさせられたのです。
慌てて1巻最後の「圭と茜が仲良くなる時のお話」を読み返してみたところ、圭自身にはこの記憶(?)は残っていないらしく、「なんとなくそんな子が気になってしまう。これはきっと一種の呪いのようなものだ。」と書かれていましたが、こうやって見ると確かにリンクしていて、唸らされました。
そして、それを知った上で1巻から読み返すと、今度は妙に目頭が熱くなってしまうのです。

そして次にびっくりしたのが、2巻のカバー裏。
あきの両親がいない理由、そしてお婆ちゃんが今どうしているのか、そして、魔力を使い切った魔法使いがどうなるのかが、本編よりも分かりやすく書かれています。
これ見てから再び2巻を読み返して、また目頭が熱くなってきてしまいました。
夏祭りとか海とかの所がほんと重いんです。最初に読んだときはそんな事全然なかったのに。

‥‥魔力を使い切った魔法使いは存在が消え、人々の記憶からも消えてしまう。
そしてそのごくごく一部は、物語として語り継がれる。

なんというか、魔法少女の運命って残酷だなと思います。
でもこれは、とっても理に適っているというか、納得できる設定で。
もしかしたら今語り継がれている童話の一部は、こんな感じの実話だったんじゃないかって思ってしまいそうになるほど納得してしまいました。

ほんとすごい作品です。

たぶん、当分はこの作品を何度も読み返す事になりそうです。
それぐらい深い作品です。
1話のあとがきで「3話のネームを書いている時には(中略)全ての話ができあがってました。」と書いてありましたが、それを踏まえて読むと、色々考えさせられてしまう、スルメみたいな側面があります。
というか、今まさにそのスルメを味わっているところです。

では、もう少しだけこの物語の世界に浸っていようと思います。
ではでは。
posted by TCT at 20:12| Comment(0) | 日記
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