2016年01月11日

スプラトゥーンをNAT越えできない回線でプレイするには

9月に、マリオメーカーやWiiUと一緒にSplatoonを購入しました。
いやほんと楽しいです。
敵を倒すのが苦手でも、塗れば活躍できるってのが良いですね。
‥‥とか言いつつ最近は、シューターやスラッシャーで突っ込んで敵を殺るのにハマってます()

でも実は、こうして楽しくプレイするまでに、3ヶ月もかかっていたりするのです。

●Splatoonができない回線

私はとあるマンションに1人暮らしをしているのですが、このマンションがクセモノでした。
築浅、間取り良好、そしてとっても快適と、物理的には相当良い物件なのですが、ネット回線が「マンション専用線」なのです。

マンション専用線とは、フレッツ等を契約しなくても、最初っからマンションにLANが張り巡らされていて、工事不要でネットが使える‥‥という、一見、とても便利そうな環境です。
光回線なので速度も速めですし、料金もとっても安いのですが、唯一というか最大の問題が、「プライベートIPアドレスしか使えない」という事です。

詳しい説明は省きますが、IPアドレスには「グローバルアドレス」と「プライベートアドレス」の2種類があって、Splatoonに適しているのは「グローバルアドレス」です。
プライベートアドレスでも、ポートさえ塞がれていなければSplatoonができるのですが、私が入居しているマンションの回線は、ポート開放すら不可という、困った回線なのでした。
 
●Splatoonは「P2P」

Splatoonを買って、ヒーローモードで練習して、さあいよいよナワバリバトルだ! と意気込んでロビーに行ってみたら、「118-0516」という謎のエラーコードが表示され、ロビーから追い出されてしまいます。
何度やっても同じエラーコードが出て、全く対戦ができません。
エラーコードをググって色々調べて見たところ、ポートが塞がれていて「NATが越えられない」ことが原因という事が判明したのです。
NATというものの詳しい説明も省きますが、こいつがデータの通り道をふさいでいると考えて下さい。

職業柄、このような環境だとP2Pやサーバ公開ができない。という程度の知識はあったのですが、まさかSplatoonが「WiiU同士をP2P接続して対戦を実現させている」なんて、思ってもいなかったのです。
MMORPGのようなオンラインゲームだと、まずサーバがあって、みんながそのサーバに接続して遊ぶ‥‥‥という形態なのでNATがあっても全く問題ないのですが、SplatoonはP2Pです。8台のWiiUが独自にネットワークを作って、その輪の中でゲームが繰り広げられます。
こういう形式の場合、「ポート開放」を行わないと、相手のWiiUが自分にWiiUに接続できません。そのため、ゲームができないのです。


●それでもSplatoonをやりたい!

‥‥とはいえ、そう簡単に諦められるものでもありません。
そこで3ヶ月、色々と試行錯誤した結果を書いてみたいと思います。

NAT越えのできないプライベートIPの回線でSplatoonをする方法は、いくつかあります。

1.プロバイダ(この場合はマンション回線の業者)に問い合わせてみる。
2.マンション回線を使わずに、自分だけ独自にフレッツ光を契約する
3.電話回線からネットをする(ADSLなど)
4.誰かの回線を借りる
5.WiMAX2+などの無線回線を契約する(非推奨)
6.VPNサービスを使う
7.引っ越す


まず、1つずつ見ていきましょう。

1.プロバイダ(この場合はマンション回線の業者)に問い合わせてみる。

さて、私が契約しているプロバイダは、はっきし言ってとても小規模なプロバイダです。
ユーザーサポートのページすらありません。

そこで、電話で下記の2点を(駄目元で)問い合わせてみました。
・グローバルIPのサービスを提供しているか?
・ポート開放は可能か?

上記のうち、どちらかがOKであれば、Splatoonのネット対戦ができるようになります。
しかし、答えは2つともNOでした。
そもそもグローバルIPアドレスなんてものは数年前に枯渇しており、とっても高価なのです。ユーザーサポートのページすら無いような、小さなプロバイダにそんなものを期待するのは酷というものです。
また、ポート解放も「たぶんできないだろうな」と思っていました。たいていの業者は「セキュリティ上の都合」でポート開放を断っている所が多く、このマンションの業者も例外ではなかったようです。

2.マンション回線を使わずに、自分だけ独自にフレッツ光を契約する

それなら、プライベートIPの回線なんか使わずに、自分だけフレッツを契約すればいいじゃないか。と思い、フレッツ光のサイトから申し込みをしてみました。
一応、光回線自体はマンションの前の道路まで来ているのです。あとはマンション管理会社の許可さえ貰えれば光回線を引くことが可能なのです。

‥‥‥が、その2日後、フレッツ光のお姉さんから電話がかかってきて、「マンション管理会社からの許可が貰えなかったので申し訳ありませんが‥‥‥」と言われ、断られてしまいました。
管理会社からしてみれば、マンション内にLANが張り巡らされているのだから、そっちを使って下さい。という事なのだそうです。
さすがにマンション管理会社とケンカをする気力はありませんので、この案は却下です。

3.電話回線からネットをする(ADSLなど)

光回線がダメなら電話回線でADSLを契約すればどうだろうか? と普通なら思うかもしれません。
しかし、最近の1人暮らしマンションには、なんと電話線が無いのです。
なにしろ、携帯電話があれば固定電話なんか要らないのです。家族で住んでいるのならともかく、1人暮らしに固定電話は不要です。
そのため、最近はマンション自体に電話線が引かれていないのです。(引くためのスペースはありますが、引くには工事が必要です。)

また、ADSLはそれほど速い回線ではありません。特に「電話局からの距離」が離れていると、悲惨な速度になってしまいます。
というわけで、この案も無理そうです。
※ケーブルテレビという手もありますが、非常に評判が悪いです。お勧めしません。

4.誰かの回線を借りる

そこで、実家に帰省する時にWiiUを持って帰り、実家の回線を使ってSplatoonをやってみました。
実家は一戸建てなのでマンション専用線のような呪縛もなく、とても快適にSplatoonができました。

これで満足すれば良かったのです。これで遊び尽くして、「もうSplatoonはしないぞ!」と言えれば良かったのです。
ところが、イカんせん、Splatoonは面白すぎました。
実家で遊ぶだけでは全然満足しなかったのです。それどころか、もっと遊びたくて仕方がなくなってきます。

実家に頻繁に帰るのも大変ですし、そもそも根本的には何の解決にもなっていません。
というわけで、この案もダメでした。

5.WiMAX2+などの無線回線を契約する(非推奨)

有線の回線がダメなら、無線回線を使えば良いじゃないか。というのがこの案です。
無線回線なら、たしかにマンションの管理会社に邪魔される事もありませんし、WiMAXならグローバルIPアドレスも貰えます。

しかし、タイトルに(非推奨)とわざわざ書いているのには理由があります。
無線回線は非常に不安定なのです。

「回線速度が速いし、大丈夫なんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、実はSplatoonに必要なのは回線速度ではありません。
応答速度(いわゆるPing値)なのです。

よくプロバイダのCMなどで「100メガbps!」とか「200メガbps!」とか言っていますが、これは道路に例えると「道路の幅(車線の数)」です。
車線が多ければそれだけたくさんの車が走れますので、一度にたくさんのデータを送受信する事ができるのです。

一方、Ping値というのは、「実際にパケットが到着するまでにかかる時間」だと思って下さい。
例えば、アスファルトの道路であれば、かなりのスピードで飛ばす事ができますが、デコボコ道やグネグネ道だとそうはいきません。
そして、光回線はそれこそアスファルトの道路並みに安定していますが、無線回線は残念ながら、かなり走りにくい道路なのです。そのため、WiiUのボタンを押してから、その情報が対戦相手のWiiUに届くまでに時間がかかります。

その結果どうなるか? というと、ラグが発生します。
色を塗っているのになかなか反応しないとか、対戦相手がいきなりワープするとか、そういう現象が起きるのです。
そのため、この方法はお勧めしません。特にスマートフォンの「テザリング」を使ったプレイはラグがひどく、非常に嫌われています。

しかし、幸いにもWiMAXはテザリングと違って有線接続が可能です。そのため、ラグは「少しマシ」になります。
テザリングは無線で受信したものを無線でWiiUに送っているのでPing値が悲惨な事になるのですが、WiMAXは受信機とWiiUをLANケーブルで繋ぐことができるため、少しだけ改善されるのです。
そこで、「TRY WiMAX」というお試し制度を使ってWiMAXの機械を借り、本当にラグいのかを試してみました。(借りたのはWX02という機械です。)
(※なお、電波状況や受信場所によって、Ping値や回線速度は大きく変わります。電波が悪い場所に住んでいる人は、もっと状況が悪くなる可能性が十分あります。)

さて、我が家でWiMAX2+のPing値を計測してみたところ、平均50ms。Splatoonを快適にプレイするには50ms必要だと言われていますので、ギリギリです。
実際、試しにプレイしてみたところ、ラグは感じませんでした。

しかし、WiMAXにはPing値以上に重要な、恐ろしい魔物が潜んでいました。

「回線が切れる」のです。

5試合に1回ぐらいの割合でしょうか。試合中に回線が切れて、そのまま広場に戻されてしまいます。
よく、リザルト画面で塗り成績が「0pts」になっているアレです。
電波が4本中、3〜4本立っていても、切れる時は切れます。

これは非常に良くないです。Splatoonは4vs4のゲームですが、1人抜けると4vs3になり、圧倒的に不利になります。ぶっちゃけ迷惑行為といっても過言ではないでしょう。
住んでいる場所や電波状況によっては一切起こらないのかもしれませんが、さすがにそんな実験はできませんし、そもそも迷惑がかかります。

というわけで、これも却下です。

6.VPNサービスを使う

そして最後にたどり着いたのが、この方法でした。
VPNの詳しい説明は難しい話になってしまうので省きますが、簡単に言うと、「塞がれていないポートを使ってVPN業者のサーバに接続し、そのサーバを中継してSplatoonをやる」というやり方です。

インターネットには65535×2個のポートがあり、マンションの回線では、そのほとんどが塞がれています。
しかし、全てのポートを塞いでしまうと、Webサイトの閲覧すらできなくなってしまいます。そのため、例えばTCPの80番ポートとか443番ポートは、たいていの場合開放されています。このポートを使うのです。
SplatoonはUDPの1〜65535番のいずれかのポートを使いますので、普通にやればTCPの80番や443番を使ってSplatoonの通信対戦を行う事なんてできないのですが、VPNという技術を使えば、それが可能になります。

私はこの方法を使って、ようやく快適にSplatoonができるようになったのですが、4つほど注意点があります。

・サポートは無いに等しい。
日本で個人向けVPNサービスを提供している会社は非常に少ないです。というか、私は1社しか知りません。そしてその日本の業者は、電話によるサポートを行っていません。
海外の業者であれば選択肢が豊富ですが、英語が分からないとサポートが受けられません。つまり、サポートには期待できません。
つまり、パソコンに不慣れな人(手取り足取り教えて貰わないとパソコンの設定なんてできない! という人)には向いていません。
最低でも、Windowsのコントロールパネルを触れる程度の知識が必要です。(MacやLinuxでも可です。)

・パソコンが必要になる。
WiiUには、VPNに接続する機能がありません。そのため、「パソコンとWiiUをLANで繋ぎ、それからパソコンでVPNに接続する。」という方法を取る事になります。
つまり、パソコンでネット接続を橋渡ししてやるような形になります。

・有料である
無料サーバというものもありますが、おそらく実用に耐えられないでしょう。
業者によって月額700円〜1800円程度(1$=120円の場合)とピンキリですが、ある程度の支出は必要です。
しかし、解約違約金のようなものは基本的にありませんので、使わなくなったら解約すればOKです。また、ほとんどの業者には無料お試し期間があります。

・接続が不安定な業者が多い
さきほど、VPNは「塞がれていないポートを使ってVPN業者のサーバに接続」すると書きましたが、その業者のサーバが混雑していると、当然、VPN接続の速度は落ちます。
速度が落ちるだけなら良いのですが、Ping値が異常に高くなる業者もあります。場合によっては、切断されてしまう事もあり得ます。
そのため、業者を選ぶ必要があります。

個人的にオススメなのはVyprVPNという海外の業者です。2番目にオススメなのが日本のインターリンクという業者なのですが、この辺りについては別の記事で詳しく説明します。
また、接続のやり方についても、その記事で簡単に説明します。

※注意:プロバイダによってはVPNの使用を禁止している所があるかもしれません。事前に利用規約を確認しておいて下さい。

7.引っ越す

最後の手段です。できればこんな手段は取りたくないですよね。


というわけで、私は方法6でようやく接続できましたが、人によっては方法1で問題なく使えるかもしれませんし、方法2がうまくいくかもしれません。
3と5は良くない方法なのでお勧めしませんが、基本的には上から1,2,4,6の順で検討すると良いと思います。

さて、記事が長くなりすぎましたので、この辺りで一旦記事を分けたいと思います。
次の記事では、VPNを使ってSplatoonをする際の業者の選び方や設定の方法について説明したいと思います。

ではでは。
posted by TCT at 14:40| Comment(0) | 技術情報
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