2019年05月16日

丸山議員の言う「言論統制」について考えてみる

維新の会の議員(当時)が、いわゆる北方領土と呼ばれている島へ行き、現地で酒に酔った挙げ句「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか」「戦争しないとどうしようもなくないですか」などと発言したとして、辞職勧告決議の議案を出すとかいう話になっています。

これを受けて、本人はツイッターで「言論府が自らの首を絞める」「(決議案を出すなら)ほかの議員の不祥事を世に問いかける」などと発言しているそうです。
これについての是非など、色々考えさせられる部分がありますので、記事にまとめてみたいと思います。

※あくまで個人の見解であることを、予め付け加えておきます。
 
1.そもそも、辞職勧告決議案は出すべきか?

「出した方がいい」と思います。でも、議員はやめなくても良いと思います。
この決議案は、あくまでフリであり「丸山議員の発言は国の見解ではないですよ。」と外国へ発信するための物だと思うのです。

例えば、ある会社の役員が失言したとします。会社としては、その役員を処分しないと売上減少や取引先の喪失など、不利益を被ります。
だから会社は、その役員を降ろしたり、減俸させるなどの処分を行うのです。

当事者を処分して体面を保つ。民間企業では普通に行われている事です。

で、今回の辞職勧告ですが、この辞職勧告に拘束力はありません。無視しても何の罰則もありません。
減俸や辞職といった罰に比べたら、遙かに軽い処分なのです。それだけで外国にアピールできるのですから、安いものです。

もちろん、本人にとっては不名誉な事であり、もしかしたら次の選挙で不利になるかもしれません。ですが、それは今回の件について国民が納得できるように説明すれば回避できます。でもこの人は、国民に説明するのではなく、政府に文句言ってるだけですよね。

2.辞職勧告決議案は妥当か? 言論の自由の侵害なのか?

本人は決議案の提出について「過去、可決は鈴木宗男氏など逮捕や起訴案件で3件あるが、発言等に関する提出など1例も」ないとTwitterで発言しています。(参議院も含めれば4例)
ですが、過去4例しかないのです。裁判の判例など、大量にある中から未だに新しい判例が生まれているのに、たった4例しかないものを根拠に言っても説得力がありません。

また、本人は言論が云々と言っていますが、これもおかしいです。以下、理由を挙げます。

(1)酒に酔った上での発言(暴言)である
(2)本人は後に謝罪し、撤回している


後で撤回・謝罪するような発言を「言論」だと言われても違和感しか感じません。
マトモな場で、シラフでそういう発言をしたのなら「言論」かもしれませんが、これは単に酒に酔って暴言を吐いただけです。

過激な思想を持つだけなら(憲法上は)問題ありません。ですが、不適切な場で、不適切な言い方で表現するのは問題だと思うのです。
それが問題なのに「言論の自由」を持ち出すのは筋違いでしょう。「行為に対して罰が重すぎるので、寛大な処置をお願いします。」という論調ならともかく、酒の失敗の免罪符に「言論の自由」を使うのは心証が悪すぎます。しかも逆ギレです。不適切な発言をしたのは本人も認めているのに、これでは反省していないと思われても仕方がないでしょう。

※酒に酔って暴言を吐くぐらい良いじゃないか、と思う方もいるかもしれません。しかし、酒に酔っていたからと言って許されるとは限りません。
ちょうど1年ほど前に、酒に酔って未成年女子にキスした国民的アイドルが辞めさせられましたが、酒に酔っていたからといって許されたりはしませんでした。
法に反するのはもちろんですが、所属事務所がとんでもない不利益を被る可能性があったからです。女性ファンを非常に多く抱えるあの事務所にとって、ファンの女の子に手を出した、という事件は致命的です。

今回の例に当てはまると、日本国の外交に多大な影響を与える可能性がある発言を、酒に酔ってしたのです。所属事務所(所属国)にとって不利益を被るような事をした、という点は共通しています。しかも、国同士の関係です。アイドルの不祥事とはケタが違います。

3.丸山議員は、議員を辞職すべきか?

しなくていいと思います。もちろん(事件そのものはともかく)その後の発言が残念すぎるので「こんな人に議員をやってて欲しくない」という感情は多少ありますが、本人が「発言等に関する提出など1例も」ないと言っている通り、発言だけで辞めさせるのは重いと思います。(そもそも、この人は犯罪を犯したわけではありません。)

ゆえに、その判定は選挙によって下されるべきです。
だから今すべき事は、

・国民の心証が悪くなるような言動(今回のTwitterの発言など)をしない

の1点に尽きます。もし本当に「戦争してでも取り返すべきだ」という「意見」を持っているのであれば、その意見を理路整然と述べて、そういうスジの人から支持を集める方法もあると思いますが、選挙で勝てるほどの賛同は得られないと思うのでやめた方が良いでしょう。

番外編:戦争でいわゆる北方領土を取り返す事に賛成か?

賛成・反対以前に、そもそも不可能です。

・まず、憲法9条におもいっきり反しています。現在自民党が検討している「改正9条」ですら、戦争で領土を取り戻す事は認めていません。

・ロシアに勝てるわけがありません。ロシア軍は中東に空爆を行える程度の軍事力は持っていますし、核も保有しています。
もし戦争になれば、日本が保有する迎撃ミサイルよりも沢山のミサイルが飛んでくるでしょう。
もちろんアメリカの助けは得られません。日米安保条約は「攻められた場合」にしか効力を発揮しないからです。


上記の通り、不可能なので論じる価値すらないのですが、それでも敢えて言うなら「反対」です。
まあ当然ですよね。
そもそも、食料や工業製品を満足に自給できない日本にとって、戦争など自殺行為でしかありません。
もし仮に勝てたとしても、国際社会の理解は得られないでしょう。デメリットの方が大きいです。
しかも、お隣の別の国が「助太刀」という名目で便乗して攻めてくる可能性すらあります。ロクな事はありません。

いくら言論の自由が認められているとはいえ、こんな実現不可能な事を本気で考えている時点で支持率はダダ下がりです。
(わざわざ言論の自由を主張するぐらいですから、本気でそう考えているんですよね‥‥‥?)
‥‥‥みんなから「辞めなさい」と言われても仕方がないと思います。

ではでは。
posted by TCT at 22:54| Comment(0) | 主張とか
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